MOON

十字架のMOONのレビュー・感想・評価

十字架(2015年製作の映画)
2.5
序盤のいじめシーンが凄惨すぎて目を逸らしたくなる。いじめた人間も それを見殺しにした人間も同罪というけれど、罪の重さは同じではないだろうと思ったりはする。しかしながらもちろん見殺しにした側にも罪悪感はあるワケで、それをいつまで背負っていかなければいけないのか?というのが今作のテーマでもあり。

感謝される側のメッセージを残された人間が重い十字架を背負わされ、直接いじめていた人間ほど罪悪感がないという描写が不快でしょうがなかったのだけど、現実問題そうなのだろうなと思わされる部分もある。気付いていたのに見て見ぬフリをしていた教師がわざとらしく説教を始めたり泣いてみせたり。たいして関わってもいなかった女生徒が机に突っ伏して大声で泣き出したり。そういう偽善者ぶった行動にリアリティーがあり過ぎて吐き気がしたりもしました。

何年経っても降ろす事を許されない十字架。自死遺族はもちろんの事、死の直前まで関わっていた人間にもそれが及ぶ。

序盤はそれなりに引き込まれたものの、何度も繰り返される謝罪と消える事のない後悔にだんだんしんどくなってくる。2時間とは思えぬ長さを感じました。でも彼らにとってはそれぐらい長い贖罪なのかな。ひたすら重い。

そして小出恵介の中学生役はいくら何でも無理ありすぎでした(笑)
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