このレビューはネタバレを含みます
「身内が誰かと入れ替わってるんじゃ……？」という、いわゆるカプグラ症候群を足がかりにしたサイコスリラー。
黒い森の湖畔に佇むオシャレ別荘って(いかにもオーストリアな)舞台の雰囲気はナイス。画づくりもこだわりがみえて好感がもてます。
しかしながら！
真相自体にはびっくりするものの、そこまでのミスリードは奮わずサスペンスもぼんやり(まぁ、上映時間中で話が動くのは最初と最後だけですし)。というか、勘のいい人は冒頭で気づいちゃいますよ。
オチから遡ったとき、それまでのあらゆる恐怖表現・展開・描写がただの「思わせぶり」でしかなくなるのは、いかがなものかと。
てかこの映画、台本を事前準備せず時系列順に撮影したんだとか。そりゃ作品のモチーフには適ってましょうが、それ楽しいの現場だけですよね？？？
なんかもっと、オイディプス・コンプレックスはじめイニシエーションに絡めた意味深長さがあるかと思ったんですが……。オチに全力投球型でしたね。
……勝者、『シックス・センス』！！！
