はま

ブリッジ・オブ・スパイのはまのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
3.7
面白い…とは違う。でも、面白い。
映画としては面白い。事実としてはとても考えさせられる。以前から世界史にかなり興味を持ち始めた私にとって、冷戦はまだまだ知りたいことが沢山ある時代。その時代のひとつの大きな出来事を知ることができたという気持ちの満たされ方と、スパイの人権的なモヤモヤ。後に引きずるタイプの作品ですね〜。

2時間20分、主演トム・ハンクス、アカデミー賞多数ノミネート… なんとなく「難しいんだろうなぁ」と気を張って見始めたけど、意外にもかなり分かりやすくて、そんなに映画を観ない母も最後まで観てました(これかなりすごいことです)。
当時の世界情勢とかが関わって複雑になってくると多少は頭を整理しないと分からなくなりそうなところもあったけど、基本的には観ているだけでちゃんと分かる。かなり説明が必要な内容の映画なのに…すごく上手なんだなぁと思いました。

一番すごいと思ったのは、この映画全てを使って「冷戦」を表してたこと。戦い(お互いが交戦状態)のシーンは皆無なのに、完全に戦争をしていた。スーツを着て、頭を使い言葉を使い、彼らは戦争をしていました。
静かな中、水面下で動く互いの意思みたいなのが怖くもあり、面白さを感じる。どうしても見た目には地味になって眠くなっちゃうのも分かるけど…私はとても好きだったなぁ。

マーク・ライランスさんほんとすごい。他の出演作見てから今作を見ると余計に感じる今作のアベルという役の存在感。彼がダメだったら映画自体がコケてたんじゃないかなぁ。
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