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この国の空のrosechocolatのレビュー・感想・評価

この国の空(2015年製作の映画)
4.4
終戦間近の東京で生きねばならないということ。空襲に怯え、空腹に耐え、非常事態下の人間の身勝手さに憤り、全ての不条理を我慢する銃後もまた戦いであった。

その中で覚えたささやかな恋心。戦争が終わったら、それは速やかに幻となることがわかっていながらも、抑えきれない衝動。つかの間の感情の交わし合いはたぶん戦時下でないとあり得なかっただろう。

工藤夕貴と富田靖子はもうこんな役が似合ってしまうんですね。2人とも流石。そして二階堂ふみの、清廉に生きることを日本人が忘れていなかった時代における「女の見せ方」も良かった。
この夏、『野火』と併せて観ておきたい終戦70年目の映画。
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