萩原くわがた

東海道四谷怪談の萩原くわがたのレビュー・感想・評価

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)
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まさかまさかのスタイリッシュな映像演出に恐怖驚愕サプライズ。死後のお岩さんめちゃくちゃ怖かった。

お話としては醜い欲望を抱える男2人が己の為に何人もの人々を不幸な目に合わせ殺害して行く中でついにその報いを受けるという物なんだけど、まあこの男達の非道ぶりといったらない。
かわいそうなお岩さんが切実に訴えを申し出るところを「くどい!」と大声で吐き捨てて会話を打ち切ってしまう民谷伊右衛門の冷酷さに心が痛くなる。

そんな男達のやりたい放題パートが終わるといよいよ怪談となり超常的な現象が”民谷伊右衛門の幻覚”と言う形を取りながら起こるんだけど、この時の編集というかカメラの演出が通り魔的にスピーディーな恐怖感を与えてくるものだからびっくりした。1959年…60年以上前の映画だからと甘く見ていた自分を恥じる工夫された演出が刺さる刺さる。
そこへ天知茂氏の狂乱の演技が加わり千鳥足で刀を振り回す地獄絵図の見応えは凄まじい。

すごい映画だった…!