ちろる

ウルティマ、ぼくに大地の教えをのちろるのレビュー・感想・評価

3.5
魔女と呼ばれた不思議なおばあさんウルティマと過ごした少年時代。
全てを見通し、あらゆる事を癒すことができる彼女は少年アントニオに大地と生きる術を伝えた。

原始的で広大な大地の広がる村で、自然と調和しながら生きる「魔女学」を少年が享受していく御伽噺のようなほんわかしたストーリーだが、後半は大人のあらゆる憎悪や、裏切りなどがアントニオの静かな生活を脅かして少し緊迫感のあるシーンもあった。
ウルティマがアントニオに伝えてる言葉ほどれも美しくて、すべての子ども達の近くにこんなおばあちゃんが近くにいてくれたら地球と人間はもっと調和できてたのにと思う。

後半は、村人が次第にウルティマの存在を無視しようとしているその人間の姑息さが辛かった。
村の人たちがウルティマの魔法に助けられて信じているのにもかかわらず、社会と「調和」するために、ウルティマを否定してカトリック信仰をしてるフリをする。
人間の、大人達のそんな狡さを見つめながらアントニオは信じることにどう折り合いをつけていくのか・・・
「宗教」と「社会」について共に生きることの難しさを考えさせられます。
ちろる

ちろる