もしも恋人が、自分以外の誰かから花束を贈られて微笑んでいたら。
差出人は不明。男だろうか、女だろうか。
相手はどんな気持ちで贈ったのだろう。
花束はただ美しくそこにあるだけなのに、
人はその花に様々な思いを込める、そして想像する。
差出人不明の花束が届けられてから始まる、3人の女性の物語。
花は愛の証、花は心の拠り所、
花は亡き人に捧げ繋ぐもの、
花は気まぐれ。
私は花もネックレスもただの偶然だろうと思った。
色のない生活、ただそこに花束があるだけで、あれだけ潤う。
永遠に咲くものではないから、
今を見ずに囚われているとあっという間に枯れてしまう。
大切な人から美しい花を贈られたら、
または誰かに贈る時は、
ただ幸せに、ありがとうと思いたい。
ラストとくに美しい、余韻と共に白い花がふわっと上品に香ったような気がした。