ただのすず

わたしのトーチカのただのすずのレビュー・感想・評価

わたしのトーチカ(2021年製作の映画)
3.8

潜水服とボンベを背負わなければ日常を生きられない少女。一人の部屋に戻ってようやく身軽に呼吸ができる。

彼女が潜水服なら自分なら何だろうと思った、ツギハギ、透明、仮面を被ったり、とんでもなく幼かったり、もしかしたら人の容姿ではないかもしれない。自分が楽に息ができる領域は他人にとっては窒息するほど苦しいものであるというのも良かった。
人がみんなそうして生きなければならないのなら、せめて他人も、勿論自分も傷つけずに、楽に呼吸ができる場所を誰もが見つけらればいいと思った。
自分の領域から、まだまだ未知数の世界が煌めいて広がっているのが美しかった。

15分とは思えない、透明感のある完成度の高い短編アニメ。