♪どういたしまして……死ぬんだ……死ぬんだ……
続編のために劇場以来の再視聴。う~ん、やっぱりこれは名作!
★メインテーマがめっちゃくちゃ良くて、それが歌ってる序盤の旅立ちが超最高……。自分にとっては自動涙腺崩壊装置になってて、この音楽が流れ始めただけでもうちょっと泣いてしまいました……。単に海に指示されたから行くってんじゃなく、モアナ自身のこころが海の彼方への旅立ちを求めているからこそ、その欲求に従おうっていう、内発的なところに強い実感を覚えさせられるところが最高なのよね……。
★でも他の曲も総じていいと思う。”Away, Away!”歌ってる「もっと遠くへ」とかね。
★観てるこちらがポリネシア系の神話に馴染みがないのもあるけど、原初の神話の飛躍した想像力みたいなものがふんだんに詰め込まれていて刺激的なファンタジーになってると思う。海とかマウイの乱暴さなど、いい意味での野蛮さも含んでるし。
★運命として与えられた物語を自分自身のものとして受け取り直す、っていう王道譚もミッチリ・キッチリやり切ってて良いしなぁ……。
★アクション的には、クルッて空中で回転しつつ変身するマウイの動きの快楽。あとはロープで帆を操っての筏の操船アクションもダイナミックで好き。
▲もっとも改めて観返すと、弱点が皆無ってことはないかなと。
これって結局、どんな子どもの人生にもたった一度だけ訪れる決定的な「旅立ち」を描いた物語、である気がします。自分の意志で外の世界へ踏み出していくことの喜びを謳う映画。それをいろんな歌を華麗に繋ぎながら紡いでいく序盤の密度がやっぱりすばらしいと思う。その反面、冒頭30分の「旅立ち」の快に、旅の中身が拮抗しえているかというと若干むずいところはある、というのが正直な感想でした。
中盤以降はわりとエピソードが飛び飛びで、密度という点ではさすがに序盤にはおよばないかなと。キャラクター的にもモアナとマウイの二人しかいないのでそこまでドラマが弾むわけでもないし。
その代わりにマウイ&かわいい刺青くん&モアナによるコミカルな掛け合いで間を持たせていて、これがけっこう笑えて楽しい。陰画(バッドエンド?)としてのヤドカリ君を介してのマウイの物語と、モアナ自身の物語もけっこうきちんとしてるし。終盤もなるほどーと思わせる納得感がありますしね。
ディズニーアニメは全然ちゃんと追えてないのですが、これは渾身の一作って感じが自分はしたなぁ。
そしてリドリー・スコットの『グラディエーター』と同じく、これに続編が必要なのか、あっていいのかという懸念はやっぱりありましたが……。
ラストの感想をちょこっとコメントに。
【◆以前の感想……珊瑚礁に閉じ込められた島で生まれ育った島長(しまおさ)の娘・モアナが、海の向こうの広い世界へ飛び出していくという物語。葛藤あり、アクションあり、神話的な味付けによる深みもありで、少女の冒険ストーリーとしては相当完成された作品だと思います。感動的な名作! 公開当時、「ディズニー・プリンセス」の歴史からこの作品を語ってる人がいて(従来なら男の子の冒険譚として描かれそうな物語を、女の子を主人公に「女の子のもの」として描いている云々)、なるほどと思った記憶があります。】
→以前いいね!くださった方はごめんなさい🙏