あきしげ

モアナと伝説の海のあきしげのレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
4.0
『アナと雪の女王』と正反対の太陽と海の作品。

良かった点。

・王道のストーリーの安定感
・自然と入る歌の演出が秀逸
・映像技術の驚くべき超進化
・モアナとマウイのやり取り

悪かった点。

・良くも悪くもストレート
・ラストの予定調和な展開

大ヒット作『ズートピア』の次は多大なプレッシャ-。
あれだけの夢ある世界を描いた後に何を出してくるか。
全世界の人々から注目されるのは相当のプレッシャー。

今回はポリネシア系の文化をベースにした作品。
マオリ族などに伝わる「マウイ伝説」がベース。
マウイは全身にタトゥーを彫っているのが証拠。
正確には彼の場合は勝手に浮き出してくるけど。

ディズニーはいつでも挑戦的な作品を出す。
その時は決まって王道のストーリーである。
見慣れない世界観は王道が一番と理解です。
余計な装飾よりも飾らない物語が一番です。
さすがにディズニーの製作は分かっている。

本作は一本道の非常に分かりやすいストーリー。
だからこそ色々と余裕のある作りになっている。
ちゃんと観ている側に魅せるという演出である。

ミュージカル風で言えば、
『アナと雪の女王』という作品があって、
こちらはヒットしました。

本作はそんな雪の世界と対極の南国。
広大なる海と照りつける太陽の南国。

ミュージカルである本作は当然ながら歌もある。
『アナと雪の女王』では歌が物語を支えました。
本作はそれに近い要素を持ちつつ物語が支える。

『アナと雪の女王』が歌に8割の土台を敷く。
それに対して本作は総合力で土台が敷かれる。
すべての要素が非常に高いレベルにあります。

『アナと雪の女王』では物語が微妙でした。
しかし、それ以上に歌がフォローしている。
本作はすべてのバランスが高い基準にある。
ただ、歌は『アナと雪の女王』よりも劣る。

ですが、個人的に本作の方がずっと良い。
最後は気持ちも晴れやかになる終わり方。
これこそディズニーのアニメ映画と思う。

そして、本作で最も注目するべきは海の映像表現。
これを観たら最新の映像技術がスゴイと認識する。
まるで本物の海にしか見えないほどの緻密な映像。
どれだけの労力と研究が注ぎ込まれたのだろうか。
それほど本作の海に対する映像表現が異常である。

モアナとマウイのバディ・ムービーも良い。
この二人が最後に協力するのは予定調和だ。
それでも思わずニヤッとさせる勢いがある。
あきしげ

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