あの日、あの時…
例えば、もしも1分家を出るのが早かったら或は遅かったら。
その1分が人生を大きく左右する紙一重の運命だったと、振り返ったときに思い知らされることは少なく無い。
不幸にも人生を狂わせる出来事に遭遇した時、人は後悔のどん底に叩き付けられる。
償いきれない罪に苛まれながら、生きていかねばならない生き地獄。
主人公の精気を失ったかのような〝静〟なる動きの中に、煮えたぎる葛藤する熱いココロが良く表現されている。
モヤモヤとする後悔と懺悔のココロは、いかにして解放されるのか。
淡々と物語が進むのでしっかり観ないと眠くなるかもしれないが、しっかりと観るとジワジワとスルメのように味わい深いヴィム・ベンダースらしい人間ドラマ。
ただしベンダースらしくないと言ったららしくない作品でもある。
どんなに最悪な出来事が起き困難で苦しい状況であっても、ココロが晴れる日はきっと来ると信じたい..★,