マインド亀

最後まで行くのマインド亀のレビュー・感想・評価

最後まで行く(2014年製作の映画)
5.0
●「最後まで行く」評判が良かったのを思い出し、アマプラで鑑賞できるのを知って観てみました。結論から言って、「最後までイケる」しっぽまでアンコ映画で最高でした。

●「最初から詰んでいる」状態で映画は始まります。主人公が何をしようが、一時的なその場しのぎにすぎず、次から次へとサスペンスのわんこそば状態。どんどん泥沼にハマっていきます。最初は、はねてしまった死体を一人で隠蔽するシーンが延々続きます。本人は極めて必死ですが、傍から見ている観客には可笑しみを感じるくらい、それはスラップスティック的でもあり、コメディ的でもありました。なのでその頃から、これはブラックコメディなんだと思って観ておりました。

●成功可能性の極めて低い、無茶苦茶強引な主人公のな隠蔽方法もなんだかんだ言って成功し、一段落。そこから第二幕の、大きな敵の暗躍がはじまり、物語が一気に加速します。ヒッチコック的に「黒幕は誰か」を「最後まで引張る」のかとおもいきや、あっさりと姿を現すので、あっけにとられるました。まるで「セブン」でケヴィン・スペイシーがいきなり警察署に乗り込んでくるシーンと同じくらいの「誰だよ!?」感。

●またそいつがチョ・ジヌン。歌舞伎役者っぽいきれいな顔立ちですが、それがまた気持ち悪い。その一方で身長185cmでリーチの長いパンチや蹴りや投げ技絞め技がめちゃくちゃ強力。闇社会を牛耳る黒幕はやはり体幹も極端に強くないといけません。金と知能だけで闇社会を牛耳るなんて映画や漫画の世界です(笑)殺しのターゲットを前にとりあえず小便をきっちりこなすなど、余裕とこだわりを持った不死身なモンスター。まるで「ノー・カントリー」のアントン・シガーみたいでめちゃくちゃ怖かったっす。

●見た人ならわかる、あまりにもショッキングなペチャンコシーンやトイレの水一気飲ませシーンなど、めちゃくちゃフレッシュな暴力を繰り返すモンスター。完全に主人公を食っております。
しかしながら登場人物は、子供とパク・ポゴム以外みんなクズ。そこそこ幸せに生きるためには汚いこともやって退ける必要があり、それこそが悪の温床。韓国はおろか、日本でも同じなのかもしれません。

●そうそう、そこで日本の話。この映画を見てからネットで調べて、初めて日本版リメイクが今年上映することを知りました。めちゃくちゃタイムリーなタイミングで本作を鑑賞してしまってたんですね。主役は岡田准一、そしてチョ・ジヌンの役どころがなんと綾野剛!?ちょっとこれでは岡田准一のほうが強そうに見えますよね。ちょっと今からとても心配です。「地獄の警備員」時代の松重豊がピッタリなんだけどなー。

●とにかく最後はアクションアクションに次ぐアクション。韓国映画にありがちなぶっ飛びカーチェイスや血みどろの銃撃戦とかではなく、ちゃんと泥臭い格闘で、終わり方も運命を信じざるを得ない結末。このあたりがとても好ましく思っております。日本版リメイクの前にぜひ見てみてください!!
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