くりふ

チャッピーのくりふのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
1.5
【そりゃ犯罪都市にもなるわな】

私はこれダメでした。

主な舞台となる、警察の基幹ともなるシステムを導入しているロボ会社が、人・設備ともあまりにセキュリティが杜撰。作り話とはいえ酷すぎてヒイた。

さらに主要人物…ロボ開発者、そのライバル、上に立つ経営者…が皆ガキかよ、という言動で呆れてしまった。チャッピー教育する前に自分のこと何とかしておくれ。

ヨハネスブルグの人間はこんなもんだ、という皮肉でしょうか? それじゃ、犯罪バンザイ都市になるのも仕方ないでしょうね。

チャッピーには、初起動時のあの「リアクション」にまず引っかかった。中身が赤ちゃんと同じなら「リアクション」なんてない筈。どんな意図があって半端にプログラムしていたのか…これも大甘セキュリティと同じで、話を簡単に進めるためのご都合主義に感じた。

もっと言えば、「カワイイ」仕込んで女子ウケ狙ったのだと思う。

そんなわけで、どうにも冷めた視線で眺めることとなり、最後のオチにも驚きより苦笑。

でいいかげんさ、USBメモリに何でも突っ込むのやめてもらえないですかね。ドラえもんのポッケじゃないんだからさ。

『エリジウム』は怪しいのでみていませんが、思えば『第9地区』は素っ頓狂なウチュージンの話だから、初めからユルイ寓話として受け入れられたんだな…と振り返ってしまった。

少し気になったのは、現代版フランケンシュタイン・コンプレックスが滲んでいる辺り。

何度も十字を切り、信仰上からも人工知能は許せないライバル白人男に対し(彼があの役なのは新鮮)、インド男を創造主に仕立て、しかし創造主の筈だったのに…となる皮肉な展開は、構造としては面白かった。

…子供向けみたいな語り方で唖然としたけど。

上記とも絡むけれど父(創造主)が暴走する話ですね。

だから母が阻害されることも構造としてはわかるんですが、母役の言動に一貫性がなくて、その感情的なところがまるで伝わらない。

単なるお涙頂戴展開の上、強引なオチに墜ちてしまうから、全体チャッピィなあ…と残念至極でありました。

<2015.6.3記>
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