【そりゃ犯罪都市にもなるわな】
私はこれダメでした。
主な舞台となる、警察の基幹ともなるシステムを導入しているロボ会社が、人・設備ともあまりにセキュリティが杜撰。作り話とはいえ酷すぎてヒイた。
さらに主要人物…ロボ開発者、そのライバル、上に立つ経営者…が皆ガキかよ、という言動で呆れてしまった。チャッピー教育する前に自分のこと何とかしておくれ。
ヨハネスブルグの人間はこんなもんだ、という皮肉でしょうか? それじゃ、犯罪バンザイ都市になるのも仕方ないでしょうね。
チャッピーには、初起動時のあの「リアクション」にまず引っかかった。中身が赤ちゃんと同じなら「リアクション」なんてない筈。どんな意図があって半端にプログラムしていたのか…これも大甘セキュリティと同じで、話を簡単に進めるためのご都合主義に感じた。
もっと言えば、「カワイイ」仕込んで女子ウケ狙ったのだと思う。
そんなわけで、どうにも冷めた視線で眺めることとなり、最後のオチにも驚きより苦笑。
でいいかげんさ、USBメモリに何でも突っ込むのやめてもらえないですかね。ドラえもんのポッケじゃないんだからさ。
『エリジウム』は怪しいのでみていませんが、思えば『第9地区』は素っ頓狂なウチュージンの話だから、初めからユルイ寓話として受け入れられたんだな…と振り返ってしまった。
少し気になったのは、現代版フランケンシュタイン・コンプレックスが滲んでいる辺り。
何度も十字を切り、信仰上からも人工知能は許せないライバル白人男に対し(彼があの役なのは新鮮)、インド男を創造主に仕立て、しかし創造主の筈だったのに…となる皮肉な展開は、構造としては面白かった。
…子供向けみたいな語り方で唖然としたけど。
上記とも絡むけれど父(創造主)が暴走する話ですね。
だから母が阻害されることも構造としてはわかるんですが、母役の言動に一貫性がなくて、その感情的なところがまるで伝わらない。
単なるお涙頂戴展開の上、強引なオチに墜ちてしまうから、全体チャッピィなあ…と残念至極でありました。
<2015.6.3記>