へちまびと

チャッピーのへちまびとのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
4.0
やたら運が悪く被弾故障率が高い警官ロボ、もはや修理不能として廃棄されるところから物語が始まる。

プログラマのディオンが自身の研究のため廃棄個体をこっそり運び出して自作プログラムをインストール、これで本作主人公のチャッピーが生まれる。

チャッピーの誕生から成長まで、描写に説得力があり唸らされる。

この成長の過程が人間の子供のようで、理不尽に辛い目に遭うチャッピーが可哀想で涙が出る。

しかし成長のスピードは人間のそれではなく、短期間のうちに成熟し、最終的には「敵に怒り、暴力でやり返すが、最後は赦す」という高度な精神を身につける。

初期の電池残量が寿命だとすれば、チャッピーはそれを自力で克服する。
人類もやがては寿命を克服するのか、その時の姿はやはりチャッピーのようなものになるのか、など、SF的興味で見ることもできる。

出てくるキャラクターの中でチャッピーがいちばん人間くさくて良い。
ニンジャの役の人の性格は最悪らしく、監督は「二度と会いたくない」と思っているらしいが、作品は名作と言っていい仕上がりだと思う。