ほ

トイ・ストーリー4のほのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

おもちゃの身の振り方を考える時が来た。
持ち主ではなく……おもちゃ自身が。

3で最愛の友達アンディと別れ、保育園などを経て新たな友達ボニーと巡り合ったウッディ達と、そんなボニーに作られたフォーキーのお話。

1からウッディのやることはとても大きく言ってしまうと「何かしらのトラブルでアンディと離れたのでなんとかして戻る」お話でした。アンディの側でその成長や苦楽を共にし、見守ることが彼の役割で、特定の子どもの側に居ることはおもちゃ全員の役割とも考えていたようです。遊ばれなくなっても、アンディの側に居られればそれで良い、というスタンスだったように思えます。

ところが、かつての同僚ボー・ピープとの再開でその価値観はゆらぎ始めます。彼女は随分アクティブになりましたね!選ばれるのを待つのではなく、自分から動くこと。子ども部屋にこだわる必要はないと。(最近のD作品特有のとりあえずアクティブなヒロイン…とも言われてしまいそうですが。個人的にはこのたくましさは好きです)

自分はアンディが託した子どもであるボニーの側に居続けるべきか…。悩む彼にキャリアプランを提示したのがフォーキーやギャビーギャビーといったおもちゃ達です。先割れスプーンのフォーキーはいわばゴミから生まれたおもちゃ。自分がおもちゃという自覚がなく、すぐあるべき場所であるゴミ箱に入ろうとする彼にウッディは自分の経験を通しておもちゃの役割を説きます。ギャビーギャビーはかわいらしくも不良品で愛されなかった不運な人形。声を出す機構である「ボイスボックス」をウッディから奪おうと対立しますが、当たり前におもちゃとしての役割を果たしたいと願う彼女にウッディは自らのボイスボックスを譲り渡します。思わぬ拒絶に心が折れてしまうギャビーギャビーを励まし、新たな持ち主とめぐり合わせたりもします。

ウッディは、これまでの経験を生かして、おもちゃ達に役割を思い出させたり、それを叶える手伝いができると気がついたのでしょうか。
おもちゃたちのまとめ役をジェシーに譲り、彼はボー・ピープと旅に出ることを選びました。まさか長年の相棒のバズと離ればなれになってしまうのか…!と衝撃でしたが、おもちゃにとっても果てのない「無限の彼方」へ行こうとする相棒にエールを送るバズに心打たれました。

なんというか、長年勤めた会社で、かつての同期に誘われて迷いながらも、後進を育成する能力に気がついた営業部長が早期退職して転職エージェントしながら世界を旅してさらに知見を広めていく…という具合にも見えました。

ボイスボックスを譲り、保安官バッジも譲った彼は、今やおもちゃのウッディとしては状態が悪くなって価値が下がってしまいましたが、それと同時に、子どもの側に居るという役割を終え、自分自身の幸せを追うという新たな道を拓いたようにも見えます。

賛否両論あるよ、と言われていたのでなかなか見れなかったのですが、個人的には楽しく見れた気がします。

あとこれは毎回このシリーズを見て思うのですが、物が捨てられなくなりますね!!!!私自身25年近く前のウッディとバズを所持しているので申し訳無さで胸がやられそう!!!
ウッディ、バズ。うちが嫌になって出て行きたくなったら、そっと出ていってね…。
ほ