このレビューはネタバレを含みます
賛否両論だと言われる作品に対して自分がどんな感想を抱くのか毎回楽しみなんだけど、今作は可もなく不可もなく、という中途半端なところに落ち着いた。あれ？
序盤の雨のシーンからCGクオリティの進化にまず驚かされたけど、陶磁器であるボーの肌の質感や、セカンドチャンスや移動遊園地のライトの美しさは特に印象に残っています。ボーは衣装も可愛かったな。あと一作目からそうだったけど、残酷な現実を前にしても人間がいる前では無表情でなければならないおもちゃたちの切なさが、CGの進化によって増したような気もします。
肝心のストーリーについては、道中で退屈を感じてしまったのが予想外だった。「おもちゃたちの脱出劇」という展開に真新しい要素がないんですよね。バズが脇に追いやられてしまったことも影響している。その分、逞しくなって再登場したボーはまるで主人公のように活躍するし、やり取りが面白いダッキーとバニーのコンビ、癖の強すぎるカブーン（キアヌの演技がまた良し）、今回の敵とも言えるギャビー・ギャビーといった新キャラクターも魅力的に描かれてはいるものの、単純に脱出劇そのものがあまり面白くなかったので見ている私の集中が切れがちになってしまった。
ラストのウッディの選択については、おもちゃに生々しい自我を与えた作品になっている時点で避けられない答えなので、「やっぱりそうなるか」という感じだった。「結局いつかは持ち主に捨てられる」という問題から抜け出せないのがウッディたちの宿命だから、その先を描こうとするとウッディがそこから抜け出すことを選ぶのは理解できる。献身的なほどにフォーキーの面倒を見て自分のアイデンティティを保とうとしていたウッディの姿は痛々しかったし（でもその痛々しさは好き）、今回はウッディが人間から愛される場面が一切ないから尚更。
ただ、自立したおもちゃとして生きるウッディへの関心は下がってしまった。これは「恋愛物語でくっつくまでの展開は面白いけど、結ばれた後の話への興味が持てない」というアレに近いかもしれない。とにかくそそられないんですよね「野良のおもちゃ」という概念に。残酷なことを言っているのかもしれないけど、これが見終わった後の私の正直な感想になった。もちろん私の想像力なんてたかが知れてるので、ウッディやボーたちの在り方と世界に新たな魅力を提示してくれたら私の印象も変わるだろうと思う。だから『5』の予告が楽しみ。
