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PKのahddamsのネタバレレビュー・内容・結末

PK(2014年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

昨年10月公開で心底観たかったが機を逃してしまい5月のレンタルまで首を長くする運びとなった。
その反面、宗教をテーマとして扱っていると聞いてからどんな出来になっているのか内心ヒヤヒヤしていた。(予告編を観ていても主人公のAamir Khanが国教のヒンドゥー教やモスク礼拝に参加している映像が目立ち、ひょっとしたら一歩も二歩も踏み込んでいるのではと考えてしまう)

ご安心を。
冒頭で「この映画はいかなる宗教も否定しません」と言ったアナウンスを流しているし、鑑賞前に感じたあの不安も跡形もなく消え去っていた。
印度映画だけど『きっと、うまくいく』(2009年)と少し似た系統で主演も同じAamir Khanだ。このAamir Khanがなかなかのカメレオン俳優で『きっと…』の理系男子とは真逆の変人として今回スクリーンで暴れている。

飛び出しそうなくらい目を最大限に見開き、地球人を突っつき掻き回すさまは地球人の生態に驚き、もっと良く見ようと観察しているかのようだ。
マスコミで取り上げられ、最終的に英雄みたくなったが都合の良すぎる超能力を持ったところが少し面白くなかったかな。
ラストの真実が暴かれる場面は確かに感動したがあんな風に暴かれるとPKみたいな生命体が居れば地球上の問題なんてあっという間に解決するだろう。

劇中の楽曲も全部好きになった。"Love is a Waste of Time"の可愛らしいダンスも好きだが本作唯一の、「印度らしい」ミュージカルシーンの"Tharki Chokro"は再生リストに組み込んでしまうほどヘビロテソングになった笑

テロの場面は要らないという意見もあったがあれは話の空気を変える意味においても必要だったと思う。
あまりにも突然で劇中時間もそんなに取っていなかったが観客の心には深く食い込む。「兄貴」も劇中では宗教に関与していない役だっただけにリアリティがあった。
その出来事がラストの大逆転に繋がったことを思うとやりきれなかったが同時にここまで観客を揺さぶった本作の完成度に感心せざるを得なかった。
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