れもん

幕が上がるのれもんのレビュー・感想・評価

幕が上がる(2015年製作の映画)
4.5
この『幕が上がる』は、ももクロことももいろクローバーZがまだ5人だった頃に主演を務めた映画。
監督は『踊る大捜査線』シリーズの本広克行。
アマプラで「見放題が終了する映画」になっていたので、急いで鑑賞してみた。笑

私は昔からアイドルが好きなので、アイドル主演の映画をいくつかは観てきた。
アイドル主演の映画、特にグループ全員が出演する映画というのは、大体「予想に反して割と良い」か「予想通りかなり酷い」のどちらかの感想になりがちだけど、この映画に関しては「予想通り割と良い」という感想だ。
ももクロは、元々女優志望のメンバーを集めて作られたアイドル。
なので、そこそこは良いものを観せてくれるだろうと期待して観たら、ちゃんとそこそこは良いものを観せてくれた感じだ。

脇役たちも割と豪華だった。
黒木華はいつも通り手堅い演技をして、ムロツヨシはいつも通りすっとぼけた演技をして、良い感じに脇を固めていた印象。
吉岡里帆や芳根京子がももクロの後輩役だったので「ん?」となったけど、調べたら吉岡里帆も芳根京子もももクロとほぼ同世代なのね。
ももクロがすごい子供っぽいイメージだったので違和感を持ったけど、実年齢的にはなんら不思議じゃなかったという。笑

高校の演劇部の部長を務める百田夏菜子が主人公なんだけど、私も高校ではないけど中学で演劇部の部長をしてたし、部長になってから脚本とか演出をしてたので、なんとなくシンパシーを感じたりした。
稽古の雰囲気とか、大会の雰囲気…特に賞が発表される時の雰囲気とか、懐かしいなって気持ちで観ていて楽しめた。

受験に備えるか大会に全力を尽くすかみたいな話も「あるある」って感じで。
私の場合は、自分以外の同級生は受験のため春の大会で引退したけど、自分は最優秀賞を取らずに引退できないって思って秋の大会まで部活してた。

全体的に良かったけど、百田夏菜子に華がありすぎて、圧倒的に華があるって言われてる玉井詩織よりも華がありすぎて、そこだけは「うーん」ってなりながら観てた。笑
もうももクロを辞めちゃった有安杏果も、華があったな。
ももクロのことはそこまで詳しくないけど、私的には百田夏菜子と有安杏果が2TOPって感じに見えた。

そして、まあアイドル主演の映画なので仕方ない部分はあるのかもしれないけど、もっと本格派な雰囲気の映画にしても良かったんじゃないか?と思ったりもした。
途中でももクロの曲が流れたり、エンディングではももクロの面々が完全に女優としてじゃなくてアイドルとしての顔を見せたりしていたけど、それはももクロファンにとっては嬉しいのかもしれないけど、これだけちゃんと演技できてるんだから、もうこの映画ではアイドルは封印して100%女優として扱ってもらっても良かったんじゃないか?と思った。

なんというか観る側が「所詮アイドルの映画だな…」って思う前に作る側が「所詮アイドルの映画なので!」って言い訳してるみたいに思ったし、そんな言い訳しなくてもいいのにって思った。
このへんはファンの人はどう思ったんだろう。
ももクロに女優としての実力があったからこそ、私はもったいないなと思ったけど。

【2019.07.31.鑑賞】
【2019.08.29.レビュー編集】
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