れもん

愚行録のれもんのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
3.5
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Filmarksのあらすじ(原文ママ)

閑静な住宅街で起こった一家惨殺事件。被害者・田向浩掛(小出恵介)は大手デベロッパーに勤めるエリートサリーマン。妻の友季恵(松本若菜)は物腰が柔らかく、近所からも慕われる上品な美人。ふたりは娘とよく買い物に出かけるなど、誰もが羨む仲睦まじい<理想の家族>として知られていたが、田向は1階で友季恵と娘は2階寝室で刺殺された姿で発見され、世間を騒然とさせた。未解決のまま一年が過ぎ、風化していく事件。週刊誌記者の田中(妻夫木聡)は改めて真相を探ろうと関係者の証言を追い始める。しかし、そこから浮かび上がってきたのは田向夫妻の外見からは想像もできない噂の数々だったー。
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↑を読んで面白そうだったので夫と観たけど、期待を上回る内容ではなかったかな…

多分、一家惨殺事件の一年後から物語がスタートする構成が良くなかった。
この物語の肝は完璧な外面で「理想の家族」だとされていた人間たちの本性が暴かれていくギャップにあるはずなのに、その外面を描かないまま本性だけ暴かれていっても…
その本性がありえないレベルで酷いというわけでもなかったので、外面とのギャップで驚かせるくらいしてくれないとつまらない。

また、松本若菜が臼田あさ美や満島ひかりと比較してずば抜けて美しいかと言われると微妙だと感じてしまい、物語の展開にうまくノりきれなかった。
もちろん松本若菜は美しいけど、臼田あさ美や満島ひかりも美しいので、彼女たちに嫉妬されたり羨望されたりするほどずば抜けているようにはどうしても見えず…
見た目の美しさだけでなく雰囲気の上品さや立ち回りのあざとさで周りと差がついていたということなのかもしれないし、それならまあ納得できるけど。

キャスト陣の演技の良さで120分引っ張られた感じはある。
特に満島ひかりの演技はとても良かった。
彼女が演じた田中光子の、勉強していわゆる良い大学に入っても周りに馴染めなかったり子供に虐待をしないようにすると放置(ネグレクト)になってしまうなど、普通に育ててもらえなかった人間特有の切なさは心を打った。

【2024.03.20.鑑賞】
【2024.03.22.レビュー投稿】
【2024.03.22.レビュー最終編集】
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