いやぁ、言葉が出ません。
呑み込めていない部分があり、言い切れませんが、たぶん傑作です。
アブハジアとグルジア(ジョージア)の間を流れる川。その川は雪解けと共に肥沃な土を下流に運び中州を作る。農民は適当な中州を探し当て、そこで作物を育てて収穫する。
そんな農民の生きるためのルーティンがたっぷり描かれています。
セリフは削ぎ落とされ、登場人物の表情や仕草、服装などから状況を読み取る必要がありますが、その作業がたまらなく愛おしく感じられました。
美しい構図と色彩のカット、じいさんの味のある動作と表情、少女の繊細な内面を表す所作…。それらが美しくて愛おしかったのだと思います。
そして、そこに戦争の断片が見え隠れします。川の両岸でアブハジアとグルジアの兵士が対峙しているのです。
農民の生きるための営みに対して戦争は何を意味するのでしょうか。
自然と人と戦争の関係を感じる映画。オススメします。