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ボーダレス ぼくの船の国境線/ゼロ地帯の子どもたちのesのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

イランとイラクの国境付近にある棄てられた船で繰り広げられる一つの戦争の話。
ペルシャ語を話す恐らくイラン人の少年と、アラビア語を話す少年兵の様な装いをしたイラク人の少女、船に迷い込んだアメリカ兵と、まだ何者でもない赤ん坊。4人それぞれ言葉が通じない。けれど赤子を慈しむ心という共通言語を得て少しずつ心を通わせていく。

イラン=イラク戦争とアメリカ介入後の動向を知っているとより深い視点で作品を観られると思う。

性別、人種、年齢、国境。人間はあらゆるものに線を引きたがる。線は仲間意識を育む枠にも他者への理解を阻む壁にもなる。複雑なものを分かりやすくするために引いた線、自分の立ち位置を明確にする為に引いた線、本来あるべきではない線を引いた事により生じている問題は一体どれくらいあるのだろう。
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