良い映画だった。観た人が考えさせられるように作られている。
ジョセフGレヴィットの出演作はたくさん観ているが、この役はその中でもハマっていたと思う。スノーデン氏の繊細さ、無邪気な部分、仕事に対する自信、責任感、そして疑問がうまく表現されていた。
女性の登場人物もまた魅力的であった。長年スノーデンを支える恋人リンゼイの、チャーミングな性格と、お互いを思い合う良い関係に、彼がどれだけ救われていたかと思うと胸が熱くなる。
物語の最初に登場する、彼を取材するドキュメンタリー作家のポーラは物腰は穏やかであるが、スノーデンに協力する姿勢には力強さも感じられる。
ハワイの職場を去るシーンの粋な演出はグッときた。全編を通してそうなのだが、天才的な頭脳を持つ主人公やその同僚たちも決して冷徹なロボットのような人物では無く、みなとても人間らしい。それを強く感じるシーンだった。
物語の最後には、これは実際に起こった話で、ただ人を楽しませる為のエンターテイメントな映画ではないんですよ、というメッセージを感じた。
まだ若いスノーデン氏と彼の恋人のこれからの人生が明るいことを強く願う。
