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グレタ ひとりぼっちの挑戦のchihiroのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

グレタ・トゥーンベリさんの情熱と苦悩が伝わってくる映画だった。
印象に残ったシーンは4つ。
1つめは冒頭、たったひとりで議会前で座り込む彼女に中年女性が話しかける。「学校へは行ったほうがいいと思う、でもあなたは違う意見なのよね」15歳の少女も、ひとりの人間として認めている感じがよかった。この女性個人がそういう考えの人なのか、スウェーデンの社会がそうなのかは分からないけど、導入として素晴らしかったと思う。
2つめは、フランス語でするスピーチの原稿を作っているシーン。アスペルガー症候群の特性からか、文法の間違いがないかを執拗に気にするグレタを父親が諭そうとするが、譲らない。どれだけ大きな会議に呼ばれて気候変動危機を訴えても、具体的な対策はなされないままに環境破壊が進んでいく世界。そのもどかしさを、投影した演出に胸が締め付けられる思いがした。
3つめは、アンチの投稿を読み上げるシーン。最初は的はずれな指摘に笑いながら読んでいるが、その後は真剣な表情でスマホを眺めるカットが続く。実際に彼女への批判的な記事を読んでいる場面なのかは分からないが、一躍有名になった15歳の少女への大人たちからの過剰なバッシングは、この映画に興味を持つ誰もが知る通りだ。
4つめは言うまでもなく、国連でのスピーチのシーン。それまでの彼女の活動と、苦しいヨットでの旅を見てからのHow dare you!は見ていて辛くなるほどの思いが感じ取れた。
グレタ・トゥーンベリを、気候変動のために活動する若者たちをわたしは指示するし、彼らに対して恥ずかしくない大人でありたいと思う。
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