アメリカでの出来事だけれども、決して他人事ではないという気持ちで見ていた。
胎児も生きている、ひとりの人間だと考える人の気持ちは理解できる。実際にお腹の中で子どもを育て、出産を経験しているので実感もある。しかし、その妊娠出産の壮絶さや、生れた後のことを考えても、安全に妊娠を終わらせることができる医療を女性が受ける権利を侵害していいのか。胎児と女性の権利を天秤にかけるようにも感じてしまい、私は当然に中絶賛成派だけど、自分の意見を人にうまく伝える自信が持てない。
映画の中で、中絶反対派が醜悪であると感じたポイントが2ヶ所あった。
1つめは、中絶手術の24時間前に、女性にエコーを見せることを義務付ける法律を作らせたということ。中絶なんて、しなくて済むならしたくない女性がほとんどではないだろうか、そんな中で決意した人にいたずらに罪悪感を与えるものだ。
2つめは、中絶反対派団体の代表が、潰したクリニック跡地に本部を設置したと誇らしげに語っていたシーン。
日本でも同じことが起こらないように、目を光らせておく必要があると思った。
