広川なつき

エクス・マキナの広川なつきのレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
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エヴァというロボットが印象的で、次に何をするのか気になって目が離せなかった。そんなロボットに勝手に感情移入する人間の話でもある。
機械にももしかしたら感情があるのかも、というお話かと思っていたら、結末まで観るとむしろ逆だったのかもしれないと気づく。
エヴァは人間の感情移入する気持ちを逆手にとってある出来事を起こす。それが一見するとすごく人間味のある行動のように見えて実は逆で、感情って結局AIでエミュレートできるものなんだということの証明でしかなかったのだと思う。つまり人間に例えると「本心を隠して偽りの気持ちを見せる」ような行動を見せるけど、そもそもAIが作り出した感情である以上は全部作り物なわけで。
そのことがまさに「ロボットであることをあらかじめ明かした上でチューリングテストを行う」という不自然な実験に対して、そういうことか!と思わされるような痛烈な回答でもあった気がして面白かった。人間たちは感情移入によって、相手がロボットだと分かっていてもただのロボットじゃないかもしれない、と思わされてしまったという……

とはいえ主人公はほぼ巻き込まれた立場でかわいそうなので後味は悪かった笑
広川なつき

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