このレビューはネタバレを含みます
アレックス・ガーランドによる2014年製作の監督デビュー作品。レオナルド・ディカプリオ主演「ザ・ビーチ」の原作者であり、映画の脚本にも多く携わってきた彼ですが、最初からこのクオリティなのには驚くばかり。
大手IT企業ブルーブックに勤めるプログラマーのケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、抽選により社長ネイサン(オスカー・アイザック)の自宅に訪れる権利を得る。初めはここでの生活を楽しんでいたケイレブだが、実はここで社長が“エヴァ”と呼ばれる人工知能の開発と研究をしていることを聞かされるー。
検索エンジンから世界中のビッグデータを集積し、それがユーザー個々人の求めるものへピンポイントに反映されて収益の最大化が成される。半分以上はリアルにも行われつつあるダークサイドGoogleなブルーブックの設定もゾワッとして良き🧑💻
「イミテーション・ゲーム」の記憶も蘇る“チューリング・テスト”でエヴァのAIとしての性能を見定めようとするケイレブですが、実際にテストされていたのは…。流れとしては想定内でありつつも、同情や愛情を抱いた人間に対してラストは全く意に介さないAIがまさに“無情”。
“デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)”という水戸黄門の印籠に当たる様な演出技法がありますが、そのデウスであるネイサンが文字通り機械仕掛けのエヴァやキョウコに物語を収束されるというのもシニカルでした。
キャスティングが、同じ組織という部分は違えど役職の逆転したSWシークエルみたいだったのにはニヤリ😏オスカー・アイザックは二作品に出ていたのか💡
ベストシーンは、オリヴァー・チーサム「Get Down Saturday Night」で踊るキョウコ&社長の図💃🕺監督作には皆勤賞であるソノヤ・ミズノさんのダンスは、ケミカル・ブラザーズ「Wide Open feat. Beck」のMVでも追加摂取出来ますね🎶
アレックス・ガーランド監督のフィルモグラフィー四作品+ドラマ一本を観ましたが、これからも注目していきたい一人です。