藤

エクス・マキナの藤のネタバレレビュー・内容・結末

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ストーリー自体は至極シンプルで、AIと人間は恋に落ちる…か?というテーマ。だと思う。是非ラストで感嘆して欲しい。

内容は主な登場人物が4人、IT大企業の社長とその社員、社長が研究してるAIが2体。社長の別荘で喋ってるだけ。
それだけなのに情報過多で魅せられるのがすごい。

ストーリーよりもビジュアルライクに特化した構成で、
世間から乖離された人工的モダンと大自然が融合した閉鎖的な別荘。
AIのエヴァは女性らしい流線形に中の部品が見えるスケルトンボディでかろうじてAIだとわかる。
このビジュアルわくわくしない人いないのでは。
特にエヴァが緩慢な動作でウィッグを被り衣服を着て人間らしい装いをするとき、
服を着るという動作なのにとても耽美で、ここで落ちたであろうケイレブの感情が手に取るようにわかる。
(実際ケイレブは着替えのシーンは見てないけど)


ネイサンの天才ならではの得体の知れない感じも猜疑心を煽ってくるけど、全て終わったあとではエヴァの行動や発言を思い返すともう鳥肌。

人工知能を目の前に、自身の思考や記憶は本当の人間の自分のものなのか不安になる主人公。
「外の世界を知りたい」という欲求を前に人を騙すことや殺すことを何とも思わないAI。
チューリングテストをされていたのはどちらだったのか?という疑問が浮かぶころには倫理を裏切りまくったハッピーエンドが終わってた。シネマティックでまさにスペキュレイティブ・フィクション。

ただ、ちょっと肌に合わなかったのはSEとか音楽がミスマッチだったなという印象…。
聖書からのオマージュならもっと静かで荘厳なものでもよかったかも
藤