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ミス・シェパードをお手本にのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

劇作家の男とホームレスの女の交流を描いた作品。

実話ベースの話らしいですが、車上生活をしているミス・シェパードの偏屈っぷりが強烈でしたね。
助けてもらっても感謝をしないし、車を黄色に塗ったりと奇行も目立つ。
ゴミ屋敷の住人にありがちな気難しさがあって、見ていてイラっとさせられる部分もありましたよ。

ただ、そんな彼女を近所の住民は特に排除しようとはしないんです。
ソーシャルワーカーが見捨てる事もないし、主人公に至っては家の一部を駐車場として貸したり、下の世話までする始末で、イギリス人の寛容さには感心させられました。

映画の後半になると、彼女の過去が明らかになるわけですけど、やっぱり何かしらの精神疾患を抱えていたのかな…。
“愛すべきダメ人間”なんていう生易しいものではなく、徹底的に共感出来ないキチガイババァなんですが、しかし最後の最後まで自分らしく…自分の生き方を貫いた事は凄いなと思ったし、その生き様には気高さすら感じさせる事でしょう。
その点においては、主人公のみならず、観客にとってもお手本になり得るのかもしれません。
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