このレビューはネタバレを含みます
マギー・スミス主演『ミス・シェパードをお手本に』を追悼鑑賞。
浮浪者のような姿と暮らしぶりや、偏屈っぷりに初めは驚かされるけど、彼女の言葉や行動全てから目が離せなくなる。
この作品が好きで、劇場と含め何度か観ているが、今回はかなり早くから泣いてしまった。
いつまでも、マギー・スミスのあの優しい笑顔を眺めていたい。
実話を元にしたお話で、実際に2人が暮らしたロンドンのカムデンの家で撮影されたそうだが、これが英国らしくて、可愛い。
黄色いワゴンもオシャレだし、軽快な音楽と、ミス・シェパードを取り巻く人たちとのやり取りが優しい気持ちにさせてくれる。
しかし、コメディかと思いきや、彼女の人生の回想となるとなかなかシリアスである。
ミス・シェパードに対して敬意を払った作品である由縁は、背景にある問題もあるのかもしれない。
そして最期は、ショパンのピアノコンチェルト第一番の第二楽章…優しい音色に、涙が流れる。