およそ60年前に活躍したインドの短距離ランナー、ミルカ・シンの伝記(っぽい)ドラマ。
結末まで観た後に、エンドロールの最初に表示される一文、
" Inspired by true story"
そう!
この映画は、
true storyにbaseしたものではなく、
あくまでもinspireされた、
伝記「っぽい」作品なのだ!
これに気付かずに、
ミルカ・シンってこんな人だったんだな!
って信じたら大火傷するぞ。
休んでたのに急に走り出してごぼう抜きして選手になるとか、
脂を2缶飲んで腕立てするとか、
襲撃されて大怪我してるのにインド記録樹立するとか、
おや、俺が観てるのはバーフバリだったかな
ってか、
この内容なら100分で収まると思うんだけど、
過剰演出と無駄なサイドストーリーの尺増し増しやばい。
機内の女子競泳選手のくだりとか、
どこにも何も繋がってなくて、
何のためにわざわざ入れたのか不明すぎる。
あと、音楽かかりすぎやな。
家で観たからほぼ飛ばせたけど、
映画館で観てたら音楽とか踊りとか多すぎて悶絶するわ。
と思う時点で、
自分はインド映画に絶望的に向いてないのは自覚してる。
ストーリーの荒唐無稽さはともかくとして、
国際大会の再現度の高さが素敵なのと、
印パ間の領土問題を巡る複雑な感情がよくわかるのは良かった。
本来のミルカの事績としてのクライマックスは五輪だと思うんだけど、
印パ親善大会が映画のクライマックスになる程度には、
やっぱり今でも両国の間には感情的なしこりはあるんだろうなって。
スポーツと政治は別のものって原則だから、
国籍に関係なく素晴らしい選手は素晴らしいと讃える気持ち。
それは陸上でも、サッカーでも、
あるはずだし、みんな思ってるはずなんだけど。
でも未だに政治利用しようとする奴もいるからな。
パキスタン側が勝者ミルカを称賛して、
ミルカが過去のしがらみに縛られずに大会で全力を尽くしたこと。
できるはずだ。