だい

大酔侠のだいのレビュー・感想・評価

大酔侠(1966年製作の映画)
3.8
これは傑作!

賊に囚われた兄を奪還すべく乗り込んだうら若き美人武官と、
それを陰からサポートする謎の浪人武道家。

ベッッタベタのベタな設定。
だがそれがいい。


護送兵の兜や子供たちの髪型を見るに、
これはおそらく明朝くらいの話。
いや、フォントの話じゃない。

やはり1000年近く前の中国はすごいのよ。
なんせ、
簪を目にも止まらぬ早さで投げ、
バラバラに宙を舞う硬貨の穴を通すという、
とてつもない剛速球&超絶変化球を使いこなす金燕子!!

そして、
手からものすごい水量の水??のようなものを出して相手を吹っ飛ばすという、
とんでもない超能力大戦をやってのける酔?!!

水滸伝で超能力を使う道士たちが出てきたけど、
やっぱり中国にはこういう人がいるんだなって。

4千年の歴史は伊達じゃない。


終盤には、
浪人と住職が手から水を出し合って竹竿を奪い合う!
という、
字面だけ見たら、
いったいどんなほのぼのした遊びなのかと思ってしまう骨肉の争い!

安心して下さい。
絵面でもそんな感じです。


そんな感じで全体的に安っぽさが漂う映画ですが、
いやこれが、逆に香港映画ならではの脳天気な感じが出てて良いです。
とっても。

主演の鄭佩佩さんがめっちゃ美人で、
一応シリアスなストーリーなのでずっと真剣な顔をしているわけだけど、
それがチープさのある演出とギャップがあっていろいろドキドキする。

危ういバランスの上に、
よくこんな傑作が成り立ったな、
という感じの絶妙さ。


本筋だけではなく、流派の跡目争いとか、
なんかいろいろごっちゃに盛り込んだわりには、
最後まで飽きさせない勢いがすごい。

もはやトンデモ拳法すら問答無用で納得させられる強さがある。


手から水って、
そんなに強くないよなぁ。。
だい

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