このレビューはネタバレを含みます
マーベルどころか映画史的に重要だと言うしかない。アフリカ系アメリカ人のスーパーヒーロー譚なこと、大きな哀しみ、ドラマを背負った歴史に残るキルモンガー。真の王とは何かを学び、決断するティ·チャラ王。
何から何まで息を飲んでしまうぐらいの名作です。
特にブラックパンサーがたどり着いた最初のゴール。キルモンガーの背負ったものも、願い続けたことも汲み、これまで固く閉ざし続けた真の国の扉を開ける。前半で恋人さんが言ってたことにもリンクするし、何より過ちから学び、そこから目を背けない。王道かもしれないけれど、エモーショナルすぎますよ!
しかしやはり何と言っても、キルモンガーに尽きる。歴史の影に葬り去られた哀しき復讐者なんだけど、奥底を動かしているのは、世のために尽くすこと。世界のために故郷の技術を苦しむ人に役立てたい。狂信的な正義じゃなくて、ちゃんとハートを感じる信念。あの最期もそうなんだけど、この人主役の粋ですよ。しかも演じるマイケル·B·ジョーダンさんがハマりすぎ。これほどヒロイックな悪役は早々お目にかかれません!
他にも見所たっぷりだけど、ホント今日までコミック原作映画を見てきて伝わったのは、歴史がしっかり反映されてる映画はやっぱり素晴らしい。特にこれはアフリカ系アメリカ人の受難の歴史、立ち上がった多くの歴史がたっぷり感じられること。詳しくないのにそういう重みを感じられるのは興味深いし、生い立ちに苦しむ人たちすべてに勇気もくれるから。
マスクを被れば生まれも育ちも関係無しに変身できる。
スパイダーマンがそうだった。
これはそれを深化させた。
その意味でも必見ですし、アフリカ系アメリカ人の子供たちがブラックパンサーごっこしてるの想像すると、何か込み上げちゃいますね。
アジア人ヒーローがこの後来るから尚更に。