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ブラックパンサーのTOTのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
3.9
内戦、植民地主義、難民、父と子、戦う女性、アフリカとアメリカ。
今日の政治的テーマとシェイクスピア悲劇みたいな普遍的題材が溶け合い、マイノリティ、ジェンダーの通り一遍な造形ではないキャラクターが自由に動き回って、分断の時代を止めて団結を推し進める、力強いエンターテイメント作品に昇華されている。
アフリカとアメリカのオークランドが繋がる時、その歴史を思って涙せずにはいられないでしょう。
冒頭『フルートベール駅で』が頭をよぎって瞼が熱くなり、スターリング・K・ブラウンが『This is us』のランダル役に引けを取らない素晴らしさで父を演じていて涙腺が緩み、さらに『ムーンライト』のアレックス・ヒバートがYoung Oakland Kid役で出てきて、完全に泣いた。
映像的な新しさはさしてないけれど(アクション長回しは良い)いまこの作品がたくさんの人に支持されることの素晴らしさ。
ライアン・クーグラー3作観て正しさに傾きがちな気もするけど、メッセージを真っ直ぐに伝える脚本力と監督力に長けた作家と思う。
まだ31歳か、すごい。
あなたについてくよ監督。
新ヒーロー誕生おめでとう。
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