ナナシ774

スポットライト 世紀のスクープのナナシ774のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画にこそ、スポットライトを!

この映画は社会的で重いテーマですが、難しそうと敬遠してる人はもったいないです!
虐待の直接的な描写はありませんし、そこを直接描かなくても伝わることを証明してくれましたので、暴力的なものが苦手な人でも大丈夫だと思いますし、ただ衝撃を与えようとして、そういう映像を撮っている映画も見習ってほしいところです。

それに本編が始まれば、気付いたら夢中になって見続けると思います!
改めて物語の導入部分、つかみの大切さを実感しました!

ガラベディアン弁護士の
新しい局長と自分はよそ者だからこそ、おかしい部分、問題点が浮かび上がってくる
という指摘は感心すると同時に、よそ者を受け入れないという町の閉鎖的なところに怖さを感じました。

物語の終盤、マイケル・キートン演じるロビーが過去に神父の記事を見逃していたことを認めるシーン
ここは自分も気付かず何もしなかったと言い訳しない姿は、すごく良かった!
神父の確認をしてもらった友達の弁護士から、お前は何ができたのかと問われ
そしてその友達が、もう情報提供できないと知った同僚から彼を悪く言われてから告白したという流れもグッときました!

あと細かいところですが、記事を発表してロビーとマイク演じるマーク・ラファロが一緒に会社に入りスポットライトに向かうシーンで、遠くに局長が映ってるのがなんか良かったんですよね!
当たり前に仕事してるプロフェッショナルな部分とでもいうのかなぁ…。

そして、あのラストシーンも好きですね!主人公達によって世の中が確かに変わり始めていく感じが…。

本編最後にその後の情報が出てきて衝撃でしたが、特に虐待があった都市の名前の一覧は、その数の多さにゾッとしてしまいました。

ちょっとだけ気になったのは、マーク・ラファロがキャストの一番上に来てること。
チームのまとめ役であり中心人物であるロビー役のマイケル・キートンが主役だと思っていたものですから…。

好きだった登場人物は、リーヴ・シュレイバー演じる局長とスタンリー・トゥッチ演じるガラベディアン弁護士!
局長は真面目さと少し暖かいところ
ガラベディアンは曲者だけど頭が切れ弁護士の仕事を第一に考えてるところ
が好きで、ふたりとも、そしてスポットライトのメンバーもストイックなところが共通してる部分で良かった!
演じてるふたりも良くてリーヴ・シュレイバーは髪を伸ばして髭を生やすとあんな感じになるんですね!全然気づかなかった。いつもよりかっこよく見えたし、それに良い声してますよね!
スタンリー・トゥッチはどの作品でも上手いし面白いし印象に残る好きな役者です!
それと、スポットライトのチームは誰かひとりが突出してるわけではなく、みんなが活躍してたところも好きでした!

あと、あまり分かってもらえないと思いますが、
マイケル・キートンの顔が渡辺謙に
マーク・ラファロは表情やしぐさが北村一輝に
似ているなぁと前から思ってます。

2回目に見た時に気付いたのは、この映画のタイトルはチームの名前でもありますが先ほど挙げた良かったシーンの後の局長のセリフ
私達は毎日闇の中を手探りで歩いている そこに光が射して初めて間違った道だと分かる
という意味もあるのかなぁと思いました。ここのセリフももちろん好きです!

アカデミー作品賞というスポットライトを浴びた本作ですが、その素晴らしさの割に知名度が低いなぁと思うこの映画にこそ注目という名のスポットライトをもっと浴びなきゃいけないと思います!