鉄馬

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生の鉄馬のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

音楽
ジェームズ・ニュートン・ハワード
撮影
フィリップ・ルースロ
編集
マーク・デイ
・1作目のタイトルロゴは、デカデカした"Fantastic Beats"だったが、今作ではグリンデルバルドがメインになるで!と宣言するみたいに左上に小さく収まっている。
・グリンデルバルドの脱獄。捕まっているのに周りを操って自分の目的を達成する手口は、『ダークナイト』のジョーカーを彷彿とさせる。ダンブルドアも中々人を意図通りに動かすのが上手いけど。ハリーの時もそう。
・河童は"demon"よりは"creature"だと思うよローリング。
・ナギニの設定の是非はさておき、変身シーンは美しい。CGアーティストに拍手。
・マンダ先生のストリートで鍛えた機転と魔法力が遺憾無く発揮されたティナ追跡シーン。エディ・レッドメインに地面を舐めさせるのシゴデキだぞ制作陣。いくらパリジャンが一瞥してスルーしてるとはいえこの時点で通報されても良いレベルの不審者。
・クイニーはレジリメンスなのに、ロジエールがグリンデルバルドの賛同者だったのに気づかなかったのかな。クイニーより強いオクルメンスだったのか。
・フランス魔法省でテセウスに追いかけられるシーン。BGM盛り上がった瞬間カットされて別人物の暗い墓地に切り替わる編集チョイスどうなん?追いかけっこもうちょっと続けたらどう?
・ズーウーかっけえええええ!!一千里を旅できる跳躍の表現がスーパー格好良かった。CGアーティストとSEか音楽担当の人ありがとう。
・リタのシーンはすべてが美しい。偶然にも『THE BATMAN』でもBGMにハープが奏でられてたゾーイ・クラヴィッツ。彼女がホグワーツの教室を訪れたシーンでカメラがハンディになって震えてたのも良かった。
・グリンデルバルドの演説はある意味危うい。あくまで自分たちは悪者ではない、慈悲深い、というスタンスだけど根っこは選民思想。現実でもありそうな。戦争の予知で恐怖を植えつけてるけど実際に起こるしそこは何も反論できねー。
・"Mr. Scamander. Do you think
Dumbledore will mourn for you?"
やっぱりそこなんですね〜笑 グリンデルバルドがニュートを気に入らんポイントは。
・ファンタビの良いところはメインキャラが大人で実力者なので、魔法の規模がデカくて殺傷力高いところ。フィニートのシーンは特に見応えがある。というかニュートはキャラ設定の割にめちゃくちゃ強いと思う。密猟者とやり合ったり違法スレスレのことやってて鍛えられたんだろうか。この世界の魔法使いの強さは8割くらい才能で決まる感じあるけど。
・ネットに転がってる脚本には、映像ではわからん事も書いてあるし、ローリング作で小説ばりに表現も巧みなのでチェックするのも良き。
'DUMBLEDORE is looking at the pictures. These memories are
agony. He is full of remorse but, almost worse: nostalgia for
the only time in his life he felt fully understood.' おいおいおいおい脚本〜〜〜くう〜〜〜染みる〜〜〜
・The Mirror of Erised が「みぞの鏡」って訳されてるのなんでと思ってたら"Erised"って"Desire"(のぞみ)を逆から読んでるんですね。ダンブルドアが対峙した鏡には、ブラッドパクトを結んだ姿と、意外にも現在のグリンデルバルドが映る。この瞬間はまだ戦えなかった。でも最後は契りを壊せるかもしれないって言ってた。戦えるようになったら、鏡にも映らなくなるかな。
結論:人物関係は一見で飲み込みにくく、流れもあっちこっち行ってる。でもやっぱり魔法はワクワクするし引き込まれる。ケルピーもズーウーも乗りこなすマンダ先生のゴリラっぷりも健在。ヘタクソな恋愛描写は勘弁。
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