このレビューはネタバレを含みます
ざっくりと全体の感想を言うと、一品ごとのクォリティが低かったフルコースといった印象。
魔法動物だ!ホグワーツだ!ダンブルドア校長だ!とアガる要素はてんこ盛りだし、面白そうな展開を呼ぶ伏線めいたものも色々張られていた気はしたけど、うまく回収できてなかったなぁ…
前作のこれからどうなるん!?っていう次回作への期待をMAXにさせる一大アジテーションはどこへやら。
タイトルの「ダンブルドアの秘密」も一応その話ではあったけど、それ主軸か?と言われたら的外れな感じもするし。
でもなんだかんだ言って、ハリー・ポッターシリーズの世界観がかなりしっかりしているからこそ、映像観てるだけでも楽しめたりするという。
CGのクオリティは相変わらず素晴らしいし、魔法生物のビジュアル化も観てて魅了される部分はあるし。
ただ、ハリー・ポッターシリーズの後半の方でも起こってたことだけど、魔法の万能感がインフレしすぎてる気はしていて
無言呪文が当たり前になってるから、今何の呪文使ったん??っていう疑問がやたらと浮かんでくる。
ハリー・ポッターシリーズの原作では、一応何の呪文を使ったかはほとんど明記されてた気がするから、インフレしすぎないように歯止めが効いてたけど
ダンブルドアとかほぼ無敵なのでは?と思わされる魔術使ってたり、ずっと気になってるのは闇の魔術師たちが半分煙みたいになりながら空飛んでるのって何の呪文なん?
個人的には呪文唱えたい人なので、解説とかあったらいいなぁと思ったり。まぁ海外サイトとかだったらあるのかもですが。
以下、ネタバレありで気になったところを箇条書き。
・ヴォーゲルとグリンデルバルドの顔が似すぎてて一瞬どっちか分からなくなる問題
・ティナが「忙しい」を理由にほとんど出てこなかったのは残念…役者さんのスケジュール都合?
・ジェイコブの杖、要素として面白かったけど必要でした??現状だと伏線張りたいがために無理やり出した感。後の続編とかで生きてくるのかもしれんけど。
個人的には、普通はマグル出身の魔法使い(ハーマイオニーもそうですね)、蔑称:穢れた血は、おおむね子供の頃に魔法を発現させるはずが、いいおっさんになるまでその兆候がなかったジェイコブは杖を手にすることでついに魔力が発現するのか!?とか勝手に妄想してたのですが、そんなこともなく。一作目でオブリビエイトが効かなかったから実は魔法は使えないけど魔法に耐性がある最強設定のマグルなのでは??と思ったけど、普通にクルーシオで苦しんでたし…
要するに普通の人なんですなぁ。
ダンブルドアがジェイコブを連れて行った理由は、クイニーを取り戻すためなのでしょうが、そんなジェイコブの取り柄は「誰よりも心が広いこと」だそうで。
…それ、いいように使われてるパシリがいじめっ子に自己正当化として言われる台詞では??と邪推してしまいましたよ、ついつい。
・オブスキュラスを手にしたものが世界を制する!お前はダンブルドアの家系だ!みたいに煽り倒していた割にクリーデンスの扱いが雑なのは、エズラ・ミラーがフラッシュに出演する関係なのだろうか?
・アバーフォースが、大した活躍してたわけじゃないけどカッコよかったなぁという。クリーデンスとのやりとりもっと見たかったけど、次回作以降におあずけなのか?
・ダンブルドアに麒麟が頭を垂れるシーン、実は伏線があった気がしていて。
必要の部屋で、でかい釣鐘状のポートキーのデザインの一部に麒麟っぽい生物が描かれていて、ダンブルドアがポートキーを作動させた際に、その麒麟がお辞儀するっていう描写があったから実はダンブルドア超ピュアってのは先に示されていたのかもなぁと思います。
・妹の記憶を奪われたりして何かありそうな感じマシマシだった割に、ユスフのスパイとしての役割大したことない気がした…
・そもそも麒麟を殺すと未来が見えるようになるという設定なんだろうか?反射する面を見るとヴィジョンが見えていたような気がするけど
作戦を全員に共有せず、バラバラに行動させ、全体像を把握させなければ予測されない!みたいな論理だった気がするけど、結局起こりうる未来が見えるなら、過程がどうだろうと結果だけ見て対策は立てられるのでは?
しかも未来が見えていてそれが役に立っているような描写も大してなかったと思う。