Yoshishun

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密のYoshishunのレビュー・感想・評価

2.9
大コケによりシリーズが打ち切られ、事実上完結編となってしまったファンタビシリーズ3作目。J・K・ローリングが本当に描きたかった物語という割にはかなりこじんまりとした印象を受ける前2作だが、本作も例に漏れず地味かつのんびりとした内容だった。これでは打ち切られても仕方ない。

絶望的に話が進まないのは前作もそうだったが、本作は更に拍車がかかっており、グリンデルバルドがドイツの指導者となる下りが本筋なのだろうが、それだけで2時間半引っ張るにはあまりに内容が薄い。サイドストーリーとして副題通りダンブルドアの秘密に迫ってはいるが、ただ事実を述べるだけで台詞で片付けてしまう節が多く、終盤は血の誓いやクィニーの関係性も雑に決着をつけてしまう。せっかくジョニー・デップ演じるグリンデルバルドとは違い、落ち着きながら静かな狂気を孕むグリンデルバルドを演じたマッツ・ミケルセンを起用したにも関わらず、ほぼ無駄遣いに近かった。

ただ、やはり腐っても魔法ワールド。映像は一級品で、ハリポタというより指輪物語のようなグロテスクな造形のモンスターが度々登場する気持ち悪さもある。満を持してのダンブルドアvsグリンデルバルドの対決も一瞬ではあるが手に汗握るものではあった。
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