あきしげ

ヘイル、シーザー!のあきしげのレビュー・感想・評価

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)
3.0
キャストと監督のブランドだけの作品。

良かった点。

・主役級の豪華なキャスト
・1950年代の映画製作スタジオの雰囲気
・あくまで軽い内容
・アルデン・エーレンライクの万能さ

悪かった点。

・群像劇で場面が飛びすぎる
・主人公が主人公らしくない立ち回り
・ちょい役ばかりでツギハギな印象
・一本の映画として中途半端

コーエン兄弟はアカデミーやカンヌでは常連。
世界的に認められたハリウッドを代表する監督。
その作品となれば期待するのは当然。

しかし、蓋を開けてみたら微妙だった。
群像劇で主人公の意味合いが吹き飛んだ。
事件を解決すると思えば、別の仕事で手一杯。
結局、別のキャラクターが解決する。

そうなると『ヘイル、シーザー!』というタイトルの意味がなくなる。
『エディ・マニックスの一日』でも良かった。
別に『ヘイル、シーザー!』がそこまで重要だと感じなかった。

主役級の役者が入れ替わり立ち替わりで登場してくれる。
サービスと思えば楽しめると思う。
だが、映画としては中途半端のような要素。
ストーリーがあってないような印象。

エディにスポットライトが当たっているようで当たっていない。
そうなると『エディ・マニックスの一日』ではタイトルがしっくりこない。
『キャピトル・ピクチャーズ・スタジオの一日』でもいいかもしれない。

中心人物の配置が難しい作品。
やり過ぎると他がかすむし、やらないと存在意義がなくなる。
豪華キャストの弊害とも言える。
映画としてなら中心に据えるべきだが。

本作はコーエン兄弟の息抜きだと感じた。
力は抜いていないが作品のベクトルが違う。
完成度ではなく、サービス精神の映画。
そう感じさせるような演出でした。

その結果がブランドだけの内容になってしまったのは残念。
あきしげ

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