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ヘイル、シーザー!のまるまるのレビュー・感想・評価

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)
3.7
個人的にコーエン兄弟の映画は「ブリッジオブスパイ」を含めれば、これが多分4本目。
「ブリッジオブスパイ」は監督がスピルバーグということで、なんだか別物に見えましたが、コーエン兄弟の映画って人の描き方が面白いですよねー。
僕が観たのは「ファーゴ」「オーブラザー」そしてこの映画で、どれも犯罪が絡んでたと思うのですが、登場人物は皆変わってるって言えば変わってるんですけど、何かそういう部分って自分にもあるなぁwっていう。
割とどこにでもいる、どこか人間くさい人達のドラマって感じで、気軽に観られるところが好きです。
「ノーカントリー」は怖そうでまだ観てませんが。


1950年代アメリカの映画会社が舞台。
主人公は「なんでも屋」って設定だそうですが、劇中の映画監督が「大根役者あてがわれた!」て怒鳴って来たり、キリスト教各宗派の代表から映画の描写について意見を聞いたり、記者がゴシップの探りを入れてきたりと、どっちかっていうと重責にある人の風情。
実際のところモデルとなった人がいるそうで、こちらに詳しいです↓
https://dayslikemosaic.hateblo.jp/entry/2016/11/25/050000
映画スターのスキャンダルをもみ消したり、外に漏れないよう工作したり、ダダをこねる映画スターや映画監督に言って聞かせて、時に横っ面叩いて、いい仕事させたりと、こういうプロもいるんだなぁと感心することしきり。
面白かったです(^^)/


50年代のハリウッドは、ハリウッドテンなる所謂赤狩りの対象になった脚本家達が干されてた時期ですが、そのあたりのコミュニストに対する皮肉った描き方と、それに篭絡される大スターも面白かったw
共産主義だとか、資本主義だとか、そうしたイデオロギーに傾倒する人達に対しての監督なりの解答が、主人公を通して描かれてると思う。
最後、神父に何故かブチ切れ気味だった主人公には笑ったw
あんたって人はw


役者さん達すべて面白かったw
ジョージ・クルーニーw
フランシス・マクドーマンドw
この人たちは、ほんとどんな役でもこなしちゃいますねー(^^)/
特にこの二人はカメラが回ってないところでは、自分の役者っぷりに笑いながら仕事してたと思うw

僕にはジーン・ケリーのマッチョなミュージカルシーンくらいしか分かりませんでしたが、この映画にはいろいろオマージュが入ってるそうです。
当時の映画の演出を忠実にマネて作られてる劇中映画の、なんとまあ良い事。この雰囲気だけでも見る価値ありでした。


もうちょっと昔の映画観てからまた観よっと。
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