あきしげ

スーサイド・スクワッドのあきしげのレビュー・感想・評価

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)
3.5
無名のキャラが活躍する決死部隊。

良かった点。

・マーゴット・ロビー
・ジェイ・コートニー
・ジャレッド・レト
・ジェイ・ヘルナンデス

悪かった点。

・DCコミックスの暗いトーン
・ウィル・スミスがウィル・スミス
・使い捨てのキャラ、スリップノットの存在
・あとは空気みたいなキャラクターたち

DCコミックスの実写映画は基本的に暗い。
『バットマン』が特に分かりやすい。
ずっとダークな世界観が展開されている。
ティム・バートン版でも、クリストファー・ノーラン版でも暗い世界観。
だから本作も必然的に暗いトーンが支配する。

そもそも犯罪者のチームである。
みんな自分の為にしか戦わないのです。
そこに正義や友情などありません。
ある意味、潔い設定だと言える。

本作はキャラクター映画。
しかし、登場するキャラクターは初めましてばかり。
バットマンやフラッシュのヴィランとして登場している。
ほとんどの人は知らないだろう。

ただ、マーゴット・ロビーのハーレイ・クインは話題をかっ攫っている。
見た目は完璧で中身がぶっ壊れている。
まさにジョーカーの恋人に相応しいキャラクター。
演じているマーゴット・ロビーは完璧でした。

あまり注目されていないキャプテン・ブーメラン。
ただ、お手製の特殊なブーメランを投げるだけ。
だけど、ジェイ・コートニーは素晴らしい演技をした。
ジェイ・コートニーは特徴のない俳優だった。
本作のキャプテン・ブーメランで新たな境地を見出す。
個人的にはハーレイ・クインに並ぶキャラクター。

ジョーカー役のジャレッド・レトは言う事なし。
四代目ジョーカーとして恥じないインパクト。
初代はコミカルなシーザー・ロメロ。
二代目はユーモアと残酷さのジャック・ニコルソン。
三代目は狂気と存在感のヒース・レジャー。
今回のジョーカーは新たな時代を予感させます。
現代的なギャングスターのようなカリスマ性。

こちらもジョーカーたちの影に隠れるエル・ディアブロ。
ドクロをあしらったタトゥーの見た目はインパクト大。
犯罪者だが過去の出来事で絶望している。
短い描写だったけどジェイ・ヘルナンデスは上手く表現していた。

その一方でウィル・スミスのデッドショット。
デッドショットをやっているウィル・スミス。
ウィル・スミスがやっているデッドショット。
つまり、ウィル・スミスが最後までウィル・スミスだった。

このように良いキャラクターに恵まれる一方で残念なキャラもいる。
その中で特にスリップノットが可哀想すぎる。
情報が少ない理由が本作での扱いで分かる。
もっと活躍する場面が欲しかった。

あとは大問題となる空気みたいなキャラクター。
このキャラクターは本当に必要だったのかと疑う。
確かに見せ場はあるけど、そこまで重要じゃないように感じた。

マーベルは実写映画を製作するのが上手い。
それは作品だけなじゃく、スケジュールの組み立てを含めて。
DC最大の弱点がこの製作過程が穴だらけである。
もっと時間をかけるべきだが、スケジュールがタイトだからできない。
そうなると、作品の完成度が落ちて微妙になってしまう。
このサイクルを改善しない限りマーベルに肩を並べる事ができない。
あきしげ

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