ネネ

スーサイド・スクワッドのネネのレビュー・感想・評価

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)
3.1
ルイジアナ州ブラックサイトにある「ベル・レーヴ極悪犯収容施設」には、バットマンの手で捕まえられた極悪犯たちが収容されている。

たとえばこの男。
狭い独房内で、体を鍛えていたデッドショット(ウィル・スミス)の元へ看守がやってくる。
「今日の夕食はスパゲティとネズミの糞と足の爪の混ぜ合わせ」
そう言って底意地の悪い看守はニヤニヤとあざ笑う。
そんな看守に食ってかかっては、たこ殴りにあう日々を彼は過ごしていた。

たとえばこの女。
セキュリティーフェンスで囲まれ、さらに電流の流れる檻の中に捕らえられているハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)。
かわいらしく微笑んで、男たちを色っぽく挑発する彼女が、病院送りにした看守は五人。
とびきり魅力的で、とびきりイカれた女。
そしてあのジョーカー(ジャレッド・レト)の彼女、それがハーレイ・クインだ。

スーパーマンが去った今、世界は次のヒーローを用意する必要があった。
「悪には悪で対抗する」
白羽の矢がたったのは、ベル・レーヴに収容されている極悪犯たち六人。
そのメンバーには当然、デッドショットやハーレイ・クインも含まれていた。

悪に悪をぶつけるーー、という発想は、核には核とか、暴力には暴力と一緒で、何とも言えない気持ちにさせられます。
だからこそ、悪党たちが全然悪じゃなかった事実は、物語的には救いだったようにも思えました。

脅されて世界のために死んでこいと言われても、仕方ないと思えるほどの悪党を主役にするのは、やっぱり難しいのでしょうね。
ヴィランものは、さじ加減が大変。

スーサイドスクワッドの面々が仲間思いで、ワイワイ楽しそうにしてるのはとても良かったので、もういっそ最初から設定を小悪党ぐらいにしちゃったらどうだったのかなーと思ったり。
小悪党が脅されて頑張っちゃう話、嫌いじゃないです。

実は見ながら、しまった映画館で観ればよかった……と後悔しました。
完成度に関して欠点は確かにあるものの、なかなか憎めない「愛すべきポンコツ映画」で、私は嫌いじゃなかったです。

やたら捕まるフラッグ(ジョエル・キナマン)。「フラッグがまた捕まったそ! 助けろ!」的展開に噴き出したり。
やたら落ちるヘリコプター。
それから大事なところで情に絆されるエンチャントレス。
ハーレイがかわいいとか、ジョーカーとの恋愛が最高とかってことももちろん。
そういえばレト様のジョーカーは、歴代の中で唯一話が通じそうでしたね……!
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