フクイヒロシ

いつだってやめられる 7人の危ない教授たちのフクイヒロシのレビュー・感想・評価

4.5
『いつだってやめられる』シリーズの一作目ですね。

❶いつだってやめられる7人の危ない教授たち
❷いつだってやめられる10人の怒れる教授たち 
❸いつだってやめられる闘う名誉教授たち

の順です。
僕はなんとなく「7,10,闘(ななじゅっとう)」と覚えています。


2014年に一作目を公開したらイタリアで大ヒットして、
続編作ることになって、
2作目と3作目を同時に撮ってると
その間にもこの作品が人気になっていって
2017年に2作目と3作目公開すると世界的なヒット。

日本でも2作目が先に公開されてヒットしましたね。
年末にはbunkamuraで1、2、3を連続上映もされました。


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フィルマガが連載記事です。お時間ございましたらお読みください!
『いつだってやめられる』をまとめて紹介しております!
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才能&能力無駄遣い!最高の頭脳が最低の状況に!『いつだってやめられる』シリーズを紹介! | FILMAGA(フィルマガ) https://filmaga.filmarks.com/articles/2529


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このシリーズのいいところはたくさんあって、
まず映像がカッコイイ。
作品ごとにキーカラーが決まっている。後から加工されてもいるけど、美術の段階で、必ず画面にはそのキーカラーになるオブジェを入れてある。
これって相当に意識的にやらないと難しいですよ。

『ゾディアック』のキーカラーが黄色だったんですよ。
黄色は危険信号ですからね。ずっと「やべえぞこの映画」と思わせることができる、と。


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この映画では、それぞれ2色の組み合わせですね。
黄色と濃緑、ピンクと群青、水色とオレンジ。

完全にではないけど補色の関係になってます。
(黄色の補色は青紫)

補色同士を並べちゃダメって言われているくらいに補色同士ってのはインパクトが強い。
過激なわけです。

ここがうまいんです。


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なんでうまいかっつーと。

キャラクターたちは全然過激じゃないからです。。
全員勉強しかしてこなかったような真面目なオタクたちなので
全体的にほのぼのしてるんです。

だから画面は補色で設計して過激な印象を醸し出してる。

これがこの映画の最大のイイとこですかね。全員のキャラがイイ。


さらにうまいのは、最初は7人で、2作目以降は10人。
多いんですよ。覚えられない。
だからキャラに強弱、メリハリをつけてます。


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この映画は「麻薬」とか「テロ」の話なので、
活躍できるのは理系の教授たちなんです。

文系の教授たちは残念ながらあまり活躍の場がない。。
だからあんまり出てこない。。

でも、文系の教授たちはシーンが少ないんですけど、
その分アクション要素を担ってるんです。。
銃を撃ったりカーアクションしたりするのはキレた文系の教授。。


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2010年にギリシャから始まった「欧州危機」のせいで
財政が悪化して、「わかりやすい結果を出せない教授たち」は給与カットされたり、首になったり。。

国外に流出したり、慣れないバイトをしたり、と教授レベルの知識があっても仕事がないというイタリアの社会情勢を風刺した映画です。

「ふざけんな!俺たちには能力がある!」と名誉挽回の復讐劇を繰り広げます。


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全然観たらいいと思いますよ。
だって絶対面白いんだもん。


こういうコメディ大好きですよ。