rosechocolat

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝のrosechocolatのレビュー・感想・評価

4.2
芸術をテーマにした場合、どうやったら映画として成立させるのか。その答えを出せるのに、ワイズマンほどふさわしい監督はいないと今回も思う。

美術館に行く、そして絵画を鑑賞する行為をそのまま再現させたかのような映画。
美術史家たちの解説は絵画を完璧に理解していないと出てはこない訳で、その部分のプロフェッショナルたちの仕事ぶりも見事だが、大事なことは、それらの解説は全て観客が絵画と向き合うための手助け的な役割に過ぎないということ。本質としての自己理解を促すためのプロの手助けは限りなく贅沢だけど、そこから我々がどう咀嚼するかが重要なのである。
その作業を丁寧に追うには、181分の尺は雄に必要であった。充実感に包まれた時間。
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