ちろる

ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女のちろるのレビュー・感想・評価

3.6
モノクロだから、血に塗れた世界も生々しくない。
覆い隠すヒジャブも、少女よ口に滴る血も、バスタブのお湯でさえも、全て漆黒の闇となり、それはまるで恐ろしきおとぎ話のように見えてくる。

少女は言葉をほぼ発しない。
大きな瞳と、鋭い牙、それだで男たちを支配するには十分なのだ。
神秘的で美しいだけのヴァンパイアの話だと思ったら大違い。
少女、、怖いよ。

スウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」では何百年にも渡り、人間の男を虜にし、そして媒介しながら生きる少女が主人公だったが、あちらよりは少しだけラブストーリー感は強い。
ストーリーに関して突起することは無いのだけど、麻薬と暴力に塗れた絶望的な街に、あの美しきヴァンパイアの存在だけが異様な光を放ち、生命力に溢れて美しく輝いていた。
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