りょうすけ

シチズンフォー スノーデンの暴露のりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「シチズンフォー スノーデンの曝露」

オリバー・ストーンの映画は高校の時に友達と観に行ったけど、こちらは観てなかったので鑑賞。「美と殺戮のすべて」のローラ・ポイトラス監督作品で、9.11後のアメリカを描いた3部作の3作目らしいが、前2作は日本未公開らしい。

スノーデンの告発について後から知った監督が作ったドキュメンタリーだと思っていたので、監督自身が告発の現場にいたというのは驚きだった。その甲斐あってかリアルタイムで進行するタイプのドキュメンタリーの中でも重みが違う。

情報量が多すぎて途中から何がなんだかわからなくなってしまったけど、基本的な話はオリバー・ストーンの映画で学んでいるので、それを基盤として観ることができた。

スノーデンの自分が捕まってもまた同じ様な志の人間が現れるという話を「ヒュドラ」に例えて語るシーンは彼の崇高なる決意に感服するし、9.11を理由にアメリカ政府が行き過ぎた行いをしているという追求にはハッとさせられた。

スノーデンを支持する人が意外と多くないのも9.11のアメリカ国民に対する衝撃の大きさを物語っていると思った。平和のためには多少の自由は侵害されても仕方がないのか。

スノーデンの告発は、多角的に考えると議論の余地があるものではあると思う。オリバー・ストーンの映画よりもその余白を残すことに成功しているのは、やはり本作がスノーデン自身をリアルタイムで取材したものだからだろうか。

映画自体は単調だが、ゆっくりと考えを巡らせながら観るにはもってこいのドキュメンタリーだと思う。
りょうすけ

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