あんのfilesのネタバレレビュー・内容・結末

お金と血縁と起伏の激しい感情、という強者としてこの世を生き抜くための道具を振り回すオーナー、その道具を自らのあやまちで手放してしまった店長さん、それらを自分ではどうしようもできない理由で他人に取りあげられてしまった徳江さん、三者の生きざま。

オーナーの言動は愚かかもしれないが、それは私たちがカメラを通して第三者目線から見ているから気づけるだけであって、ふだんの自分はどうなのか。「強者のツールを手に入れるために日々働いているじゃないか。ああいう物言いをしたことは？」と問われたら、もう口をつぐむしかない。

全て手放したあと、ただ自然の声にそっと耳を傾けて、すっくと桜の木のように生きた徳江さん。

そうありたい。世俗にまみれているのでこうやってネットに感想を残してしまうが、やっぱりそうありたい。