あきしげ

バケモノの子のあきしげのレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
3.0
前半は名作ペース、後半で一気に駄作になる。

良かった点。

・熊徹と九太による師弟関係
・バケモノたちのキャラクター
・中盤までの渋天街なる場所

悪かった点。

・楓というメインヒロイン
・中盤を過ぎてからの雑さ
・ラストボスの適当な描写

細田守の長編オリジナル作品の四作目。
当然ながら期待してしまう細田守監督。

本作は力が入っていたのが分かる。
特に前半は丁寧に描かれています。
名作と言ってもいいような前半戦。
熊徹と九太のいがみ合う師弟関係。
どっちが子供か分からない関係性。
その中でも二人が絆を深めていく。
本作の中で一番面白い部分でした。

決して自分の事を言わない熊徹。
その代弁をする二人のバケモノ。
百秋坊と多々良は狂言回し役に。
この役割は悪くないと感じます。

そして、九太が17歳になる。
これによって本作が下降線に。
ここまで前半をダメにするか。
そう思ってしまうほどの雑さ。

特に楓というメインヒロインの登場。
あまりにも役割が大きすぎたと思う。
残念だが熊徹の代わりにはならない。
本作は熊徹と九太だから成立します。
蓮と楓では緊張感がなさすぎて退屈。
何かが起きるワケでもないから退屈。
これで後半の雑さが余計に目立った。

クライマックスのラストボス。
分からないワケじゃないけど、
伏線の張り方が薄すぎました。
そのせいで説得力に欠けます。

これは楓に時間を割いた弊害だろう。
楓はもっとオマケ的な存在でもいい。

前半は名作だったのに残念。
後半では駄作に成り下がる。
時間がなかったのだろうか。
そう思わせるほどの急降下。
あきしげ

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