よしかつ

シン・ゴジラのよしかつのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.3
非常に面白い作品。現代の東京・神奈川を舞台に非常にリアリティ高い状態でゴジラという非現実が登場した場合にどうなるか描かれている。地名や武器なども現実で、高いリアリティを持って描かれており、現実 VS 非現実 といったところ。
冒頭に、手持ちカメラ風な映像(Yotubeやニコニコ動画にアップされた動画の設定)が流れるあたりで、グッと引き込まれた。掴み方が非常にうまいと感じた。
2時間があっと言う間の作品。パニック一辺倒ではなく、政治的な判断をする様子などが重点的に描かれており、見ていて飽きないし、疲れない。

緊急事態配下であっても法律の範囲外の事象であるため、なかなか身動きのとれない日本の様子が描かれている。高い緊急度を求めるなか、意思決定には各大臣との合議が必要な内閣の様子など。また、閣僚は寝ずに働いている一方で大した成果が挙がらない様子などにはもどかしさを感じる。

ゴジラについては、蒲田・品川・鎌倉と三箇所で三回襲撃してくるのだが、それぞれで進化・変体を遂げていく様子も新しい。進化・変体前の状態で手を打てず、ずるずると事態が悪化していく様子が映し出される。なにごとも初動対応が肝要だな、などと考える。
蒲田に上陸して街を破壊し尽くしたゴジラは一度海に帰るが、海に帰った翌日の東京での平和な様子が映し出されている様は今の平和ボケした日本をうまく描いていると思った。
よしかつ

よしかつ