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シン・ゴジラのEyesworthのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.7
【ヤシオリ作戦】

庵野秀明監督・樋口真嗣監督×長谷川博己主演によるゴジラシリーズに革命をもたらしたニューウェーブ的一作

〈あらすじ〉
東京湾の羽田沖で、トンネル崩落の事故が発生。政府の緊急会議に出席したほとんどの者が自然災害だと判断する中、内閣官房副長官だけは巨大生物による破壊の可能性を指摘する。その直後、謎の巨大生物が上陸し、街を破壊し始める…。

〈所感〉
ゴジラは初代を見ただけで、個人的には全く興味が持てないシリーズではあるが、本作は庵野秀明を味わうのに十分すぎるコンテンツであり、映画というよりアニメを見ているようでちゃんと面白かった。ゴジラという最大最悪の虚構を震災のメタファーとして登場させ、日本人の中枢である政治家たちを中心に国民がどのように動くかを主に描いた作品のようだった。意思決定が遅すぎると度々揶揄される日本の政治だが、常に多角的観点から十分に情報を精査し、可能な限り正しい判断ができていたのが印象的であり、寧ろそのスローさこそが我々が誇るべきチームワークという武器の特徴なのだと考える。首がやられれば、また新たな首を据えれば良い。噂の内閣総辞職ビームが思った以上に呆気なくて実際もそんなんだろうなと思う。初期の通称カマタ君がビルを薙ぎ倒し、地を這いずり回る姿がチャーミングだった。これホントにゴジラ??シン・ゴジラのビジュアルがめちゃめちゃイカす。不穏なラストは更なるゴジラの進化の可能性を示唆しているように感じた。ゴジラシリーズの新たな可能性を示した記念碑的作品ではないでしょうか。
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