Helo0914

シン・ゴジラのHelo0914のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.7
予告編が流れるたびに、がっかりしそうな映画かなと思ったのは、大きな間違いだった。
もしかしたら今年No. 1の作品になるかもしれない。

平成世代のバーサス物のゴジラしかリアルタイムで見てこなかった世代ではあるが、歳を重ね初代の素晴らしさ、ヘドラといった社会の風刺を知り、重厚なシリーズであると知った。
そして、ハリウッド版の新作はゴジラのエンターテイメント性を最大限に高め、もうゴジラを日本で作っても、面白くないもの、ハリウッドのものになってしまうんだろうな、と思っていた。

本作はまさに原点回帰であり、日本が作る怪獣映画の新たなスタートであると思う。

初代では原爆、核の記憶新しい時代に作られ、その怖さは身近なものであった。
今回は東日本大震災を経験した日本人にとって、新たな核の恐怖とともに、津波、災害大国である日本の怖さをゴジラという虚構を用いて表現している。

対立構造である日本政府、現実は徹底した取材に基づき、日本ならわかる!っといったお役所仕事内で奮闘する、志のある主人公の活躍を描く。
ある意味こうなって欲しいという虚構かもしれないが、まだまだ日本も捨てたもんじゃない、という気持ちを観衆に抱かせてくれる。

ゴジラのビジュアルは目以外は良かった!
完全生物として、進化していく過程も新しいゴジラの形を作り上げたと思う。
熱線を吐くシーンは怖さそのものであり、背中、尻尾からも出る設定は違和感を感じさせない。

ハリウッド版も何回も見たくなったが、それとは違う意味で何度も見返したくなる。

庵野監督、エヴァを作れと思っていたが、ゴジラを復活させてくれてありがとう!
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